一目見たらその美しさに魅了される薩摩切子は、鹿児島に来た際ぜひ見てほしい伝統工芸品です。
そんな薩摩切子を直に沢山見たり、工場見学をしたり、販売したりしている仙巌園の隣にある磯工芸館に行く前に知りたかった情報をおすそ分けです。
基本情報
- 名称:薩摩切子ギャラリーショップ・磯工芸館
- 住所:鹿児島県鹿児島市吉野町9688-24
- TEL:099-247-8490
- 営業時間:
- 【ショップ】年中無休、8時30分~17時30分
- 【工場見学】
定休日:毎週月曜日、第3日曜日※祝日の場合は、翌日に振替え。
営業時間:9時~17時
- 料金:無料
- クレジットカード:使用可能
- トイレ:あり
- 記念スタンプ:あり
- 交通機関:バス
アクセス、行き方は?
グーグルマップのナビ通りに行けば着きます。
- 注意点があるとすれば、鹿児島中央駅や天文館から行く場合、海沿いではなく10号線を通って行った方が駐車場に入りやすいです。
- また、海沿いはいつも大渋滞しているので、通らない方が無難です。
以上2点の理由から、10号線を使って行くことをおすすめします。
駐車場は?
嬉しい!無料の駐車場があります!
(GWなど隣の仙巌園の来場者が多い時は、仙巌園の臨時駐車場になる事があり、その場合は有料200円になっていました)
どんな感じ?何があるの?
ギャラリー
ギャラリーには、島津薩摩切子が展示・販売されています。
季節の行事に合わせて、いろんな展示をしているので、いつ行っても楽しいです。
1年を通して一番見ごたえがあるのは、薩摩切子を雛人形に見立てて飾っている2,3月(私調べ)。
こちらの総額なんと!630万円越え!
金を使った赤の薩摩切子が多いので、高額になったとのことですが、手も足も出ない。
ちなみに、毎年違った薩摩切子のひな段飾りを見ることができるので、飽きることはありません。
2022年の様子。
総額はなんと、税込10,364,200円と一千万円越えでした。
2024年は、黄色が復元されて35年とのことで、黄色の薩摩切子をふんだんに使ったひな段飾り。
あなたもぜひ!
あと、お店の内装や展示が頻繁に変わるので、いつも新鮮な気がする。
以前はなかった無数の薩摩切子が散りばめられた天井。
写真ではうまく写せませんでしたが、肉眼で見るとすごく綺麗!
こちらもいつまであるかわからないので、ぜひお早めに行ってみて欲しい。
工場
工場では、薩摩切子を作っている所を見学できます。
当たり前ですが、工場内は凄く暑くて冬でも陽炎現象が!
作っている方は、皆さん優しくて、色々教えてくれます。
近くに持ってきて見せてくれたりも。
研摩しているところ。
私が行った時は、もうお昼休みという時間だったので、模様をつけている所を見れませんでしたが、もちろん全ての工程を間近で見学する事が出来ます。
いろいろ体験する事も↓
様々なガラスと薩摩切子の音の違いを体感。音が全然違う!
薩摩切子は、原料に金属の成分が入っているそうで、高く澄んだ綺麗な音がしました。
ドレミファソラシドと音階を奏でる薩摩切子があったり、
直接触れてみることが出来たりと。
大人でも面白かったです!
仙巌園ブランドショップ
仙巌園内でも、島津薩摩切子を購入する事ができます。
2月に新しくできたショップなので、店内はとても綺麗です。
ベストショット!桜島と薩摩切子!
ずらっと並んだ薩摩切子は圧巻です。
写真では、この素晴らしさが伝わりにくいので、是非訪れてみてください。
薩摩切子の歴史を知りたい!
薩摩切子は、島津斉彬公が『外貨獲得の手段として』命じて創らせたものというのは、周知の事実だと思うのですが、最初にガラスを加工し始めたのは、斉彬公のお父さん斉興公が藩主の時なんです。
意外ですね~。
「薬品に耐えられる瓶を!」と作ったそうで。
そして、斉彬公がそのガラスを更に加工して美術工芸品『薩摩切子』が誕生したのです。
この加工は、琉球を通して親交があったヨーロッパや中国にならったもので、『江戸切子』とは違う技法を使って、作ったものだそうです。
薩摩切子と江戸切子の違いは?
見比べてみると全然違いました!(江戸切子、実家にあったのに。写真撮ってくれば良かったY(>_<、)Y)
専門的に言うと、色被せ、厚み、カットの角度などが違うらしいのですが、私自身ピンとこなかったので、ここでは分かりやすく素人目線(私目線)で言うと、
- 江戸切子は、淡い色合いで可愛い。
- 薩摩切子は、色が濃くて重厚感がある。
です。
ものすごく分かりやすい!?
でも、比べてみれば確かに!と思って頂けると思うので、一度見てみてください。
そして、もうひとつ。
- 江戸切子は、江戸時代からずっと技術が継承されている。
- 薩摩切子は、薩英戦争時か明治初頭かは諸説あるが、一度技術が途絶えている。
なので、今、購入できる薩摩切子は復元品で、購入できるお店も限られます。
斉彬公、自慢の薩摩切子
紅色の薩摩切子は斉彬公自慢の一品だったらしく、大名たちにプレゼントしてまわっていたそう。
その様子が、黒田藩主が他藩主に向けて書いた手紙の中に記されています。
どんな内容かというと、
「そう言えば!あなたも島津の斉彬さんから、薩摩切子もらいました?私もらう時に、すごい自慢されたんだけど。あなたも自慢聞いた?いや確かにすごいけどね~」
というような文面が残っているそうです。
斉彬さんちょっと可愛らしい。
何が自慢だったの?
それは、江戸切子では出せなかった紅色です。
この紅色は、ガラスに銅を混ぜて発色させるそうなのですが、かなり高度な技術が必要だったそうで。
専門的な事を言うと、また頭がこんがらがるので控えますが、とにかく紅色を出すのはすごく難しく、薩摩藩にしか作れない色だったと。
紅色ってどんな色なの?
紅色は、上の雛段で沢山使っていたから高額と説明した金赤とは違う色です。
パンフレットの写真が分かりやすかったので、ご覧ください↓
どれも濃い色合いですね。
紅色と金赤、同じ赤だけど比べてみると全然違う!
話が飛びましたが、そしてこの薩摩切子は、斉彬公の狙い通り、瞬く間に大名たちに気に入られ、贈答品として大人気になったそうです。
大河ドラマ『西郷どん』でも、薩摩切子に注目!
篤姫様の興し入れが無事終わり、斉彬公と西郷どんが2人だけの宴をあげていた時に、
西郷どんが(薩摩切子グラスを)『なんと美しかぐい飲みでございもんそか。』と言うと、
斉彬公が『ぐい飲みじゃねぇ。グラスだ。』と言って、
西郷どんが『こげん鮮やかな色、おいは見たこっがあいもはん。』とグラスを空に掲げる?光に透かしました。
すると斉彬公が、『集成館で作らせた切子硝子じゃ』『これは金のなる木じゃ』『このグラスが薩摩を、いやこの国を豊かにする。』と。
薩摩の民の為、ひいては日本の為に薩摩切子を作ったとおっしゃっていました!
行く前には予習を!
何話を見てから、行けば良い?
U-nextならNHKオンデマンドで、13話のみなら無料で見れます↓
NHKオンデマンドをもっと詳しく知りたい場合は↓
参考NHKオンデマンドで西郷どんが見たい!入る前に知りたい9つの情報
私が入会した時に詳しく調べた情報をおすそ分けです。
行くべきか?
絶対行くべきだと思う!
無料だし、駐車場もあるし、せっかく鹿児島に来たのならちょっとでも見てほしい。
本当に綺麗で、心奪われます!
せっかくなので、買ってみた。
鹿児島に来てすぐの時に、鹿児島市立美術館で薩摩切子に魅了されて以来、ずっと欲しいなと思っていました。
でも、5万~10万円もするコップを1つ買っても(高価なので気が引けて)使えないしなぁと思っていた所、見つけました!私でも使えそうな薩摩切子!
お雛様。
一目ぼれして、即購入です。
価格は、4万8千6百円。
ちなみに、この『切子雛』頭の部分など作るのがとても難しく、2018年の販売で終了とのこと。
現在は、違う形の切子雛↑が販売されています。
価格は2024年現在、税込83,600円でした。
では、レポートです。
包装は?
こんな感じ。(現在は、変わっています)
包装紙には、島津の家紋。
島津薩摩切子は、桐箱に入っていて、復元か創作品か新作品かが分かる様に情報が明記されています。
この切子雛は、創作品なので上の写真の様に明記されているのですが、復元品なら、斉彬公の時代に製造された薩摩切子を収蔵している尚古集成館が監修していますよと明記、落款されています。
購入時に、気をつけるポイント
ちなみに創作品や新作品は筆記体で、
復元品は活字体が施されています。
お店に行ったら注目してみてください。
本家本元の磯工芸館や仙巌園ブランドショップで購入する場合、偽物を掴まされる心配はないのですが、1点だけ。
薩摩切子は1点ものです。
同じシリーズでも、一つ一つ手作りで、模様や大きさなどが全然違います。
私もこの切子雛を購入する際、展示されている数点と、奥にあった物とを、「比べてみてください」と見せて下さり、その中で気に入った物を選びました。
どんな感じで違うの?
雛切子を例にとると、
- お雛様が太っちょだったり、シュッとしていたり、
- お内裏様と背の高さが一緒だったり低かったり、
- 中に入っている気泡の数や位置が違ったりと、
単体で見るとわからないのですが、見比べてみると全然違います。
高い買い物なので、磯工芸館、仙巌園ブランドショップにある物を見比べてから、購入する事をおすすめします。
薩摩切子の美しさ
ということで、私が購入した切子雛の美しさをご覧ください。
まずは普通に撮ってみる。
ちなみに、屏風やぼんぼり、ガラス板や赤いマットはセットでついてきます。
これだけでも、ガラスに光が反射して綺麗なのですが、もっと輝かせて。
角度を変えると、見え方が全然違います。
お雛様が、着物を持っている風に見えるかな?
うー美しい!
毎日うっとりしております。
買って良かった〜。
一番最後の写真が、鹿児島市主催のインスタグラムフォトコンテスト・カゴシマファン(#kagoshimafan)の『明治維新150周年賞』を受賞しました。
鹿児島の広報物などに使われるそうなので、見つけたら「あれ?これは?見たことある!やっぱり薩摩切子は美しいな~」と思って頂けると嬉しいなぁと思いつつ、、
クリスタル製品も販売されている
薩摩切子と同じガラスを使って作った、クリスタル製品も売っています。
夏に行くと風鈴があり、鳴らしてみると、上記した通り、高く澄んだ音を奏でていました。
うっとりするような良い音色。
しかもお値段は、手頃な税込3,240円!
これは!!と
こちらも一つ一つ音が違うので、好きな音を選ばせてもらって、購入しました。
包装が新しくなっていた!
包装が新しくなっていました!
シンプルに、表は『島津の丸に十文字』と裏は『仙巌園』の文字。
包装紙も黒でシックです。
リボンの色は選べます。私は、金をチョイス。
なぜかって?こちらが目に入ったから↓
磯工芸館の正面玄関を入った所にある、一際目を引く金の壁。
これを見た後で、金以外考えられなかったです。(現在はなくなっています)
ちなみに、紙袋は白がクリスタル製品で、黒が薩摩切子とのことです!
クリスタル風鈴は、こんな感じ
見てるだけで、涼しくなる風鈴。
総合住宅に住んでいるので、家の中に吊るすと、なかなか揺れてくれないです^^;
なので、自分で鳴らしてうっとりしております。
薩摩切子のカット体験をしてみたい!
以前は、磯工芸館や薩摩切子工場で、体験することができず、残念に思っていましたが、なんとできるようになりました!
種類 | 料金+送料 | 体験時間 |
金赤グラス | 税込33,000円+800円 | 60分 |
透明グラス | 税込15,000円 | 60分 |
キーホルダー | 税込5,500円 | 30分 |
11歳以上と年齢制限がありますが、ちょっと危なそうなので納得です。
ただ、予約ページをみていただけるとわかるのですが、体験できる日がすごく少ない。
» 仙巌園公式ページをみる
あなたが仙巌園で絶対カット体験がしたいという場合は、体験できる日に合わせて旅行の日程を組まないといけないかもです。
ちなみに鹿児島内にはもう1件、切子カットを体験できるところがありました。
ここ磯工芸館から、車で45分の霧島市にある「ガラス工房 弟子丸」。
行く場合は、高速を使っても1分しか違わないので、桜島を眺めながら、錦江湾沿いを走る、10号線経由をおすすめします↓。
工房で作っている薩摩切子の廃材を使って、アクセサリーを自分で作れるという。
日程調整が難しい場合は、選択の一つに。
» 弟子丸の薩摩切子のカット体験を詳しくみてみる
仙巌園・磯工芸館に行く前に知りたいコトのまとめ
薩摩切子、鹿児島にお越しの際は、駐車場もお店も工場見学も無料ですので、ぜひ見てみてください!
隣の仙巌園の詳しい記事はこちら
» 鹿児島の観光地、人気一位の仙巌園に行く前に知りたかった15のこと
あわせて読みたい
大河ドラマ・西郷どんのロケ地は?
≫ 【完全版】大河ドラマ『西郷どん』のロケ地巡り。行って徹底調査済!(まずはこちらを)
ピンポイントで見たい場合は↓
→鹿児島の観光地、人気一位の仙巌園に行ってきた(西郷どんNo.1ロケ地!テレビで見た所ばかりです)
→狐ヶ丘高原は、鹿児島の良い所が全て見れる!おすすめ観光ポイント(斉彬が西郷さんに死ぬなと言った所)
→桜島の展望所で一番おすすめなのは、有村溶岩展望所(オープニングやポスターの場所!)
→長野滝は、鹿児島の滝の中で、一番おすすめの滝!神秘的で美しい!(西郷どん役の鈴木亮平さんが、滝行していた場所)
→旧島津氏玉里邸庭園は無料で立派な庭園が見れる!鹿児島観光にオススメ(由良さんが住んでいる邸宅設定)
→戦国最強の武士・島津義弘公を祀る、かっこよすぎる『精矛神社』(オープニングにも出てくる子どもたちがわーって走っている妙円寺詣りをしていた所)
→磯山公園は、鹿児島市の桜の名所!行き方は?どんな所?何があるの?(赤山先生が『今日の桜島は、また一段とよか眺めでございもすな。』と言って、江戸へ帰る斉彬様の足を止めさせた場所)
→『雄川の滝』行く前に知りたかった12の疑問を解決。行き方や駐車場など(オープニングの綺麗な滝)
→龍門司坂は、鹿児島県姶良市きっての江戸を感じられる名所!石畳の坂(オープニングで鈴木亮平さんが石畳の道を歩いて、木に手を当てる場所)
→鹿児島の海と言えば、重富海岸!行く前に知りたい、10のコト。(斉彬が藩主になって帰って来た時に、見た海と桜島はここ!)
→掛橋坂に行く前に知っておきたい8つのこと。鹿児島・姶良の観光名所(妙円寺詣りで、別の郷中の子たちと喧嘩をした場所)
→鹿児島のパワースポット『霧島神宮』に行く前に知りたい13のこと。(オープニングで鬼の面をつけ、髪を振り切りながら力強く太鼓を叩いている場所)
→西郷どん2話のロケ地『小牧の棚田』に行く前に知りたい8つのコト(鈴木拓さん親子が主役だった回の桜島が見える棚田の場所)
→知覧武家屋敷は、無料でも楽しめる!行く前に知りたい『11』の情報(4話で切腹させられた赤山先生の屋敷がある所)
→【全て解決!】高千穂峰に初心者が登山する時に知りたい『24事項』(明治編のポスター・オープニングの場所)
→鹿児島の磯海岸・磯海水浴場に、行く前に知りたかった『11』のこと(39話からのオープニングで、桜島をバックに鬼のお面をつけて、力強く太鼓を叩いている所)
西郷どんのグッズが買いたい!閉館した大河ドラマ館をちょっと見たい
→西郷どん大河ドラマ館のお土産屋さんが再オープン!『西郷どんの蔵』
他にも西郷さんゆかりの地を巡りたい!!
→西郷隆盛ゆかりの地『西郷隆盛蘇生の家』(月照さんと自殺して助かった家)
→妙円寺詣り2018に行く前に知りたい10の事!駐車場や武者行列等(ドラマで、糸さんが男の恰好をして参加していた行事)
→西郷どんも愛した鰻温泉に行く前に知りたい15情報。スメやガイド等(西南戦争前に西郷どんが癒された温泉地・土佐藩の江藤新平が西郷どんを訪ねてきた所)
西郷さんや薩摩について詳しく知りたい!!
→鹿児島市の観光は、ココがおすすめ!!維新ふるさと館(西郷さんと大久保さんをメインに郷中教育や薩摩についてが分かる場所)
大河ドラマ西郷どんでも使用された!?鹿児島の伝統的工芸品
→鹿児島の『竹のいち』に行ってきた!行く前に知りたかった8つの情報
→自分への鹿児島土産は、伝統的工芸品がおすすめ!古くて新しい雑貨9選
歴代大河ドラマの甲冑は、ほぼこちらで作成
→国内シェア1位、甲冑メーカー『丸武』工房に行く前に知りたい13条
西郷どんのクランクアップ記者会見が行われたのはここ
→城山ホテル鹿児島。宿泊前に知りたい!泊らないとわからない14の事(鹿児島で1番と言われているホテル)
コメント